チーム管理対象ソフトウェア プロジェクトでワークフローをセットアップする
目的
チームの作業プロセスを策定します。
Customize work types and workflows in Jira to reflect these processes.
対象者
Jira のチーム管理対象プロジェクトが初めてのチーム。
前提条件
Jira Cloud サイトのライセンスを所有している。
Jira のライセンスを所有している。
チーム管理対象プロジェクトを作成して管理する権限がある。
ミッション
Jira によって作業の追跡を始めたばかりの Web 開発チームのプロジェクト リードだとします。プロジェクトを立ち上げて稼動させるには、チームの作業プロセスを Jira に取り込む必要があります。
あなたのミッションは次のとおりです。
チームの作業プロセスの下書きを作成して完成させます。
これらのプロセスを、チーム管理対象プロジェクトのワークフローに変換します。
はじめに
Jira の基本的な推奨ワークフローから始めましょう。あなたが引き受けるタスクのほぼすべてが、「To Do」、「進行中」、「完了」の 3 つのステータスのいずれかに当てはまります。しかし、チームが成長して成熟するにつれて、仕事をより細かく分類することをお勧めします。
その理由は次のとおりです。
チームにはより多くのロールがあり、タスクをより簡単に引き継げる方法が必要である。
法的要件から、ワークフローにより多くのレビューを組み込む必要がある。
チームの進捗状況をより確固たる方法で報告したい。
幸い、Jira ワークフローは、考え得るほぼすべての作業プロセスに合わせてカスタマイズできます。例として小規模な Web 開発プロジェクトを用いりますが、ここで学習した内容はあらゆるタイプのチームに適用できます。
すでにワークフローを考えていて Jira に変換する手順を探している場合は「すべてを Jira に取り込む」に進みましょう。そうでなければ、まずチームのプロセスをワークフローに変えていきましょう。
関係者を集める
ワークフローの作成時は、自分のプロセスを知っている人に相談するといいかもしれません。Web 開発チームの次のような担当者に相談してみましょう。
プロダクト オーナー
テック リード
Web 開発者
品質保証担当者
Web デザイナー
彼らと非公式に話し合って、以下の内容を確認します。
(Web 開発プロジェクトを立ち上げて稼動するために) 達成したいこと。
ワークフローの作成にはどのような関与があるか (チームの作業プロセスがどのようなものかを考える際に役立つ)。
各メンバーがどのように関与するか (詳細を知りたいのか、それとも単にレビュアーなのか)。
できればメモを取ります。Confluence によって、これらのメモを手元に置いておけます。
ワークフローの下書きを作成してレビューする
関係者と話をすることで、チームの作業プロセスがどのようなものかを理解できるでしょう。しかし、書面化する前に、Jira ワークフローの 2 つの重要な概念であるステータスとトランジションについて学習しておきましょう。
ステータスは、チームの作業プロセスにおいて注目するべきポイントです。ステータスによって作業の状態を把握しやすくなり、チームのプロセスにおける引き継ぎ状況を表せます。たとえば、タスクが開発から品質テストに移行した際に、ステータスが新しくなるといったように設定できます。
トランジションはステータス間の経路です。タスクがある状態から別の状態に移行した際に何が起きるかを説明します。たとえば、テック リードがコード レビュー後に開発作業を承認すると、タスクを「完了」ステータスに移行する「承認済み」というトランジションが発生します。また、変更を却下した場合は、タスクを「開発中」ステータスに戻す「修正が必要」というトランジションが発生します。
ワークフローの下書きでは、ステータスをボックス、トランジションを矢印として描きます。
ワークフローの下書きを作成してレビューするには、次の手順に従います。
ホワイトボードやお気に入りのホワイトボード アプリを入手します。空白のスペースにボックスや矢印を描けるものならどれでも良いでしょう。
ワークフローごとに、ステータスを表すボックスとトランジションを表す矢印を描きます。
関係者を再び集めましょう。下書きしたプロセスについて順を追って説明して、フィードバックしてもらいます。この時点では、完璧なものでなくても心配ありません。変更が必要な場合は、Jira で簡単に調整できます。
関係者の承認が得られたら、ワークフローをチームに開放します。チームは提案したワークフローの影響を直接受けるため、具体的な内容を決める前に意見を聞くと良いでしょう。
Web 開発チームのプロセスは次のようであることが分かりました。
プロのヒント: ワークフローをシンプルに維持します。
チームのプロセスのあらゆる部分にステータスを追加するのが良いと思われるかもしれません。実際に Jira ではそうすることも可能です。ただし、あらゆるものにステータスとトランジションを付けることで、チームにとってはワークフローにおける作業がより複雑になることにご留意ください。スピードが肝心な場合は、プロセスを無駄のない状態に保ちましょう。
すべてを Jira に取り込む
まず必要なのは、素晴らしい下書きを Jira プロジェクトに取り込むことです。下書きがなくても、プロジェクトは簡単に作成できます。
Jira アイコン > [プロジェクト] の順に選択します。
[プロジェクトを作成] を選択します。
[ソフトウェア開発] で、[カンバン] または [スクラム] テンプレート > [テンプレートを使用] の順に選択します。
プロジェクト タイプでチーム管理対象プロジェクトを選択します。
プロジェクトに名前を付けて、アクセス レベルとキーを指定します。
[プロジェクトを作成] を選択します。
プロジェクト テンプレートを間違えても心配ありません。確信が持てない場合は小さく始めて、慣れてきたらカンバン プロジェクトに進みます。[プロジェクト設定] > [機能] の順に移動すると、より強力なスクラム機能を簡単に利用できます。
ここまでチュートリアルを進めると、次のようなものが出来上がります。
カスタマイズ可能なチーム管理対象プロジェクト。
チームの作業プロセスに関する最初の下書き。
ステータスを追加する
Now it’s time to add your statuses. In Jira, workflows are assigned to work types (categorizations of your team’s work), so that’s where we’re going to add them.
ワークフロー エディターに移動するには、次の手順に従います。
From the sidebar, select Project settings > Work types.
From the sidebar, select the work type whose workflow you want to change.
[ワークフローを編集] を選択します。
The workflow editor visualizes your work type’s workflow by showing statuses and transitions in a flowchart.
各ステータスは、「作業前」「進行中」「完了」の 3 つのカテゴリに分類されます。こうしたカテゴリにはそれぞれ複数のステータスを追加できますが、ほとんどのプロジェクトでは「進行中」と「完了」というステータスが最も多く使用されます。
新しいステータスを追加するには、次の手順に従います。
エディターの上部にあるツールバーで、追加するステータスのステータス カテゴリを選択します。
既存のステータスを検索するか、名前を入力して新規ステータスを作成します。
追加 を選択します 。
すべてのステータスがエディターに表示されるまで、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。
New statuses will have a transition that allows work items in Any status to move to it. It’s usually a good idea to keep this transition so people can freely move their work. But if you have strict compliance guidelines, you might want to remove these transitions.
トランジションを追加する
これでステータスが決まりました。次にトランジションを入力して、ステータス間で作業がどのように移動するかを追加します。
トランジションを追加するには、次の手順に従います。
エディター上部にあるツールバーで [トランジション] を選択します。
[ステータスから] ドロップダウンでトランジションの開始点を選択します。
[ターゲット ステータス] ドロップダウンでトランジションの宛先を選択します。
トランジションに名前を付けます。
[作成] を選択します。
ルールでワークフローを自動化する
Rules automate things you’d normally do when transitioning a work item. You can restrict access to a transition, check details before transitioning, and perform actions after the transition. If you find yourself moving a work item to ‘In progress’ and assigning it to the same person over and over again, for example, Jira can automate that for you.
ルールを追加するには、次の手順に従います。
エディター上部にあるツールバーで、[ルール] を選択します。
使用するルールを選択します。
ルールを追加するトランジションを選択します。
必要な詳細情報を追加して [追加] を選択します。
利用できるワークフロー ルールの詳細についてご確認ください。
Web 開発プロジェクトには、次のルールを追加します。
Rule 1: Restrict who can move a work item
To ensure the quality of our code, we only want software engineers approving code and moving a work item past In code review. And to ensure the quality of our product, we only want quality assurance champions to move a work item past In staging.
Jira では、次のようにロールに専門分野をマッピングしています。
ソフトウェア エンジニア
品質保証
プロジェクト ロールの管理に関する詳細についてご確認ください。
Using the Restrict who can move a work item rule, we’re going to add these restrictions:
For work items moving from In code review → In staging, restrict who can move the work item to the role Software engineer.
For work items moving from In staging → Testing in production, restrict who can move the work item to the role Quality assurance.
Rule 2: Restrict to when a work item has been through a specific status
このチームでは、作業が必ず [ステージング中] ステータスを通るようにしたいと考えています。そうしないと、実際の人によるテストを経ずに、成果物が顧客に提供される可能性があります。高いレベルの作業品質を確保するために、Jira にこれをテストしてもらいます。
To do this, we’re going to add the Restrict to when a work item has been through a specific status rule:
エディター上部にあるツールバーで、[ルール] を選択します。
Select Restrict to when a work item has been through a specific status.
[すべてのステータス] → [完了] トランジションの順に選択します。
通過するステータスは [ステージング中] を選択します。
Select the Include the work item’s current status option.
Select the Only consider the work item’s most recent status option.
[ループが設定されたトランジションのステータス更新を無視] オプションを選択します。
最新のステータスが「本番環境でテスト中」だった場合にのみ、作業が「完了」に移行できるようになりました。
Rule 3: Update a work item field
For traceability and reporting, we want to add custom date fields to our work types to track key dates:
開発への引き継ぎ
コード レビュアーへの引き継ぎ
QA 担当者への引き継ぎ
作業項目が特定の列またはステータスに移動した時点でこれらの引き継ぎ日フィールドを最新の日付に更新する以下のようなシンプルなルールを作成できます。
For work items moving to To do → In progress, update the Handed to development field to the current date/time.
For work items moving to In progress → In code review, update the Handed to code review field to the current date/time.
For work items moving to In code review → In staging, update the Handed to QA champion field to current date/time.
仕事をがんばったご褒美に
これをすべて終えたら、次のことが完了しているはずです。
Jira のワークフロー
チームの簡単な作業を自動化
これで、ソフトウェア プロジェクトが稼動するはずです。素晴らしいニュースをチームと共有して、自分自身をねぎらいましょう! また、ワークフローはいつでも繰り返せることを覚えておいてください。ステータスやトランジションを編集したり、アクションやルールを追加したりといったことがいつでもできます。
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